SHARE PARK（シェアパーク）

大切な人と観たい
ラブロマンス・シネマ

バレンタインデーは終わってしまったけれど、
もうすぐホワイトデー。
男性から贈るユニーク（？）なギフト、
気持ちのこもった「言葉」の贈り物まで、
劇中で“ギフト”がストーリーの重要なキーとなっている
恋愛映画をご紹介。
大切な人と一緒に観たいオススメの
3作品をピックアップしました！

『ブロークン・フラワーズ』（2005年）

どうしようもない男の不器用な贈り物

第58回カンヌ国際映画祭で審査員特別グランプリを獲得したジム・ジャームッシュ監督作品『ブロークン・フラワーズ』（2005年）。過去の恋人から、「あなたの息子がいます」と記されたピンク色の手紙が、ビル・マーレイ演じる中年男の主人公、ドン・ジョンストンの元に届く。手紙の送り主を探すために、彼はアメリカ各地に住む4人の元恋人たちを尋ねて旅をする。送り主が分からないままの彼女たちとの再会はどこか不安げ。ドン・ジョンストンのその表情と、いつもジャージ姿の彼が上品なスーツスタイルに着替えて、女性への贈り物にはあまりにも下手なピンクの花束を持って出かける姿がとても愛らしい。会いに行ったところで誰が母親なのかも定まらず、宙ぶらりんでふわふわとした彼の感情を延々と映し出す展開は、女性に対する男の不器用さを物語っているみたい。過去の思い出に触れても、いつもと変わらない現実に直面する中年男のノスタルジーを感じる恋愛映画。

『恋人たちの予感』（1989年）

真っ直ぐな気持ちで伝える言葉の贈り物

『スタンド・バイ・ミー』『ア・フュー・グッドメン』などで知られるロブ・ライナー監督作品『恋人たちの予感』（1989年）。「男女の友情は成立するのか」をテーマに、久々に再会したビリー・クリスタル演じるハリー、メグ・ライアン演じるサリーによるラブコメディ。“ああ言えば、こう言う…”、くだらない口喧嘩や意地の張り合いをする素直じゃないふたりのアップテンポな会話がとてもユニーク。さらに、表情豊かで気の強いサリーのマニッシュなNYファッションもかわいい。劇中で最も印象的なのが、ラストシーン。大晦日に大げんかをしてしまい、ニューイヤーズパーティに行く気になれないハリーがフラフラと街を歩き、サリーと一緒に見たワシントンスクエアパークの凱旋門に着くと、サリーとの思い出が蘇り、急いで彼女の元へ。そこで彼が言った「一日の最後に話したいのは君だけだ！」というプロポーズに涙するはず。どんな高価な贈り物よりも、大切な人からのプロポーズは永遠の宝物です。ちなみに、劇中に出てきたニューヨークを代表する老舗レストラン「Katz's Delicatessen」は今でも大人気！

『ラブ・アクチュアリー』（2003年）

幸せだけじゃないちょっぴり切ない贈り物

『ブリジット・ジョーンズの日記』『ノッティング・ヒルの恋人』などの脚本で知られるリチャード・カーティス監督のデビュー作品『ラブ・アクチュアリー』（2003年）。クリスマスを舞台に、19人の男女の恋愛エピソードがいくつも描かれるオムニバス形式の映画で、最後にひとつの物語となる展開が面白い。ヒュー・グラント、コリン・ファース、エマ・トンプソン、キーラ・ナイトレイなど、イギリスの名俳優たちが出演しているのも見所。さまざまな恋愛が展開されるなかでも、アラン・リックマン演じる社長のハリーと彼の秘書であるミアが浮気をしていることを知ったハリーの妻、カレンの涙がなんとも切ない。クリスマス前に一緒に出かけたデパートで、トイレから戻ったカレンはハリーがペンダントを購入しているところを目撃。それを自分へのプレゼントだと思いこんでいたが、クリスマスにジョニ・ミッチェルのCDを彼から受け取ったことで、あのペンダントは浮気相手への贈り物だったことを知る。このエピソードだけは他とは違ってちょっぴり悲しいお話に。人それぞれ違ったドラマがあるのが恋愛というもの。男女で楽しめる、恋愛の教訓たっぷりな名作です。昨年、本作の続編『レッド・ノーズ・デイ・アクチュアリー』が公開されて話題になったのでぜひチェックしてみては？